イチローだけじゃない。ボンズ効果でマーリンズ打線が大暴れ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

シーズン序盤を沸かせたチーム@ナ・リーグ編

 シーズン前はまったく話題にのぼらなかったチームが、開幕するやいなや快進撃を見せて脚光を浴びるのも、メジャーリーグの楽しみのひとつです。今シーズンのナ・リーグでは、そんなまさかのシンデレラチームが東地区から2つも現れました。

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バッティング練習中に話し合うバリー・ボンズ(左)とイチローバッティング練習中に話し合うバリー・ボンズ(左)とイチロー まず開幕早々、全米中に衝撃を与えたのは、昨シーズン東地区最下位だったフィラデルフィア・フィリーズです。2007年から2011年にかけて5年連続で東地区を制していましたが、その黄金時期も過ぎ去り、近年のフィリーズの成績は落ちる一方でした。

 昨シーズンは63勝99敗と勝率4割にも届かず、ナ・リーグ15チーム中最下位。2014年のオフにチームの生え抜きだったジミー・ロリンズを皮切りに、2015年のシーズン途中からエースのコール・ハメルズ、クローザーのジョナサン・パペルボン、オールスター選手のチェイス・アトリーといった主力プレーヤーを次々と放出したのです。

 そんな状況で迎えた2016年シーズン。関係者の誰もが、「建て直しにはしばらく時間がかかるだろう」と思っていました。ところが、フィリーズは周囲の予想を大きく裏切る快進撃を続け、5月17日時点では23勝17敗で東地区2位。首位のワシントン・ナショナルズに0.5ゲーム差まで迫ったのです。

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