機動力よりパワー。ロビンソン・カノ率いる
マリナーズが改革成功

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 チームが大躍進した要因は、エースのクリス・セールの活躍が大きいでしょう。5月24日のクリーブランド・インディアンス戦で黒星がついてしまいましたが、1950年以降ではメジャー4人目となる「開幕9戦9勝」という素晴らしいピッチングを披露したのです。

 ただ、ホワイトソックスを牽引しているのはセールだけではありません。ホセ・キンタナというコロンビア出身の先発ピッチャーも華々しい活躍を見せています。キンタナはメジャー5年目の27歳・左腕で、過去3年間はシーズン200イニング以上を投げているものの、いずれも9勝どまりでした。しかし、今シーズンは才能を開花させ、現在ア・リーグ1位の防御率2.13をマークしています。

 そしてもうひとつ注目したいのが、著しくアップした攻撃力です。昨シーズンのチーム打撃成績は、得点・本塁打・OPSの3部門でいずれもリーグ最低の数字でした。しかし、今シーズンは新しく4番に座ったトッド・フレイジャーの活躍によって、軒並み打撃成績をアップさせているのです。

 シンシナティ・レッズから移籍してきたフレイジャーは、昨年のオールスターのホームラン競争で優勝して脚光を浴びた30歳の三塁手。現在、ア・リーグ1位の16本塁打をマークしています。ちなみに昨年、三塁手で起用した全選手の合計ホームラン数は13本。フレイジャーはすでに、昨年の記録をひとりで塗り替えているのです。彼の活躍によって、ホワイトソックス打線も波に乗ってきました。

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