前田健太のメジャー新人王を阻む「とんでもない2人の遊撃手」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そしてナ・リーグでもうひとり、注目したい若手遊撃手がいます。それは、セントルイス・カージナルスのアレドミス・ディアスという25歳のキューバ出身選手です。4月の月間最優秀新人賞はストーリーが文句なしで受賞したと思われがちですが、実はディアスも遜色ない活躍を見せていたのです。

 1990年にキューバで生まれたディアスは、2007年から2012年にかけて国内リーグのナランハス・デ・ビジャ・クララというチームでプレーしていました。現在中日の助っ人として活躍しているダヤン・ビシエド、シアトル・マリナーズで外野を守っているレオニス・マーティンは、その当時のチームメイト。対戦相手には、ニューヨーク・メッツのヨエニス・セスペデスやロサンゼルス・ドジャースのヤシエル・プイグといった、メジャーで「キューバ旋風」を巻き起こした選手もおり、そこで実力を発揮していました。

 また、ディアスは2010年の世界大学野球選手権にキューバ代表として選ばれ、来日もしています。東京の神宮球場でプレーし、金メダル獲得に貢献しました。その後、ディアスはメキシコに亡命したのですが、メジャーリーグ機構から「虚偽の生年月日を提出した」と指摘され、2014年2月までメジャーリーグ球団との契約を禁止されてしまいました。そしてようやく、2014年3月にメジャーとの契約が解禁。カージナルスと4年契約を結び、メジャーへの第1歩を踏み出したのです。

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