前田健太のメジャー新人王を阻む「とんでもない2人の遊撃手」 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 その後も、ストーリーは快調に飛ばします。4月は合計10本塁打を放ち、2001年にアルバート・プホルス(当時セントルイス・カージナルス/月間9本塁打)が記録した「ナ・リーグの4月ルーキー記録」を塗り替えました。その結果、ストーリーは4月の月間最優秀新人賞も受賞しています。

 現在23歳となるストーリーは、テキサス州のダラス郊外にあるアービングという街で生まれました。アービングにはかつてNFLダラス・カウボーイズの本拠地テキサス・スタジアムがあり、その土地柄の影響もあって学生時代のストーリーは、野球とアメリカンフットボールの両方でプレーしていました。野球ではピッチャー兼ショート。最速96マイル(約154キロ)のストレートを投げる豪腕です。一方のアメフトでは、花形のクォーターバックとして活躍。まさに、高校スポーツ界のエリートだったのです。

 しかし高校2年生のとき、「将来はメジャーリーガーになりたい」と決意し、野球1本に専念。メジャー関係者の間で「学生屈指のファイブ・ツール・プレーヤー」という評判が立ち、大勢のスカウトが練習を見学に来ていたと言われています。

 そして2011年、ドラフト1巡目・全体45位でロッキーズから指名を受け、野手として念願のプロ入り。ただ当時、ロッキーズのショートにはトロイ・トゥロウィツキーが君臨していました。2010年と2011年に2年連続でシルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞をダブル受賞し、フランチャイズプレーヤーとして2020年まで長期契約していたロッキーズのスター選手です。

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