現役最年少&契約金11万円男。メジャーで大暴れの新人2人は何者? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 しかしながら、もともとホワイトはまったく期待されていない選手だったのです。ウェスタン・カロライナ大学時代からずんぐりむっくりな体格で、スカウトはそれを見ただけで興味を失うほどでした。ただ、「独立リーグでもいいからプレーしたい」という本人の強い信念があったため、アストロズは「マイナーのロースターを埋め合わせるぐらい」の気持ちで、2013年にドラフト33巡目・全体977位という下位指名でホワイトを指名し、契約金もたったの1000ドル(約11万円)で契約しました。

 ところが、プロ入り後のホワイトは驚異的な粘り強さを見せ、着実にマイナーの階段を上がっていったのです。ルーキーリーグから全7階級あるマイナーを一歩ずつ進み、オフにはドミニカ共和国やパナマのウィンターリーグで修行を積みました。また、不規則なマイナー生活で周囲の選手が体重を増やすなか、ホワイトは見事に減量にも成功。そしてプロ入り4年目の2016年、ついにメジャーの切符を掴み取ったのです。

 現在39試合に出場し、打率.230・7本塁打・18打点。今後は相手チームからのマークも厳しくなるでしょうが、ぜひとも負けずに頑張ってほしいものです。無名だった選手が突如ブレイクするのも、メジャーリーグに欠かせない魅力のひとつだと思います。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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