前田健太も候補?現代のメジャー「精密機械」は誰だ? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 しかし、2015年のクルーバーは精彩を欠き、ア・リーグ最多の16敗を喫してしまいました。不調の原因のひとつは、足のケガです。その結果、武器にしていたツーシームが低めに決まらず、自己最多となる22本ものホームランを打たれました。

 本来のクルーバーは頭脳的なピッチングで相手バッターを打ち取るのが得意で、マダックスのような効率のよいピッチングを持ち味としています。変化球のキレも評価が高く、『ベースボール・アメリカ』はクルーバーのカーブを「ア・リーグ1位」、スライダーを「ア・リーグ2位」にランクインしました。

 ただそれ以上に、クルーバーを語るときにマダックスの話題が挙がることがあります。それは、クルーバー自身が「マダックス」というオリジナルの記録を考案したからです。彼の言うマダックスという記録とは、「1試合を100球未満で抑えて完封する」ことで、常にそれを目指しているそうです。

 実際、2014年7月30日のシアトル・マリナーズ戦で、クルーバーはわずか85球で完封勝利を挙げ、見事に「マダックス」を記録しました。85球のうち、ボール球はたった16個。インディアンス史上もっとも少ない球数でのシャットアウト勝利でした。また、昨年8月13日のミネソタ・ツインズ戦でも、「あわやマダックス達成なるか」という試合がありました。完封目前の9回に1点を失いましたが、100球ちょうどで勝利を挙げています。

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