ダルビッシュも続け。
トミー・ジョン手術からすぐ復活した男たち

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そして2013年は19勝(9敗)で2度目の最多勝を獲得し、2014年もふたたび20勝(9敗)を達成。まさに、トミー・ジョン手術から完全復活を遂げた例と言えるでしょう。

 ふたり目は、シカゴ・カブスのジョン・ラッキーです。2003年から9年連続ふたケタ勝利を挙げていたラッキーは、まさしくメジャー屈指の本格派ピッチャーでした。しかし、2011年のオフにトミー・ジョン手術を受けることになり、2012年はシーズンを全休。2013年、当時34歳でカムバックしてきました。

 その年、ラッキーは10勝13敗という成績でしたが、驚くべきは189イニング3分の1を投げている点です。これは手術前の160イニング(2011年)を大きく上回っており、右ひじの故障が完治した証(あかし)でしょう。

 さらに、WHIP(※)の数値も手術前より良くなりました。2011年が1.62だったのに対し、2013年は1.16。また、フォアボール1個に対して奪三振数は1.93だった割合が、4.03に大きく飛躍しています。ラッキーは球威を完全に取り戻し、さらに進化してメジャーに帰ってきたのです。

※WHIP=被安打数と与四球数(与死球数は含まない)を投球回数で割った数字で、1イニングあたり何人の走者を出したかを表す。WHIP1.00以下なら球界を代表する投手と言われている。

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