来日した元メジャー助っ人たちは、現地でどんな評判だったのか? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Kyodo News

 その結果、2012年は25本塁打を放ちながら、505打数でフォアボールはわずか28個。チームの主力だった3年間は毎年100個前後の三振を喫しており、2014年も21本塁打を記録したにもかかわらず、その年のオフにはクビになりました。

 クビになった主な理由は、「チームの勝利に貢献していない」という明確なデータがあったからです。ホワイトソックス5年間での通算出塁率は.298と3割を切っており、「WAR(※)」というセイバーメトリクスによる総合評価指数では、チームの勝利貢献度はマイナス0.9。つまり、勝利にまったく貢献していない、という分析でした。

※WAR=各ポジションの平均選手と比べ、その選手がどのくらいチームの勝利数を上積みしたかという指標。平均的な選手は「WAR=2.0』。

 また、ビシエドは外野の守備もお粗末で、守備に関するWARはマイナス2.4。2014年はメジャーの全レギュラー選手のなかで「ワーストプレーヤー」と評されました。ビシエドが昨年メジャーでプレーできなかったのは、日本の一部メディアでは「素行の悪さ」と報じられていましたが、セイバーメトリクスによるデータの影響もあったと思います。

 ただ、ビシエドのパワーは飛び抜けたものを持っています。今年のセ・リーグの本塁打王争いは、本命と言われるヤクルトのバレンティンを筆頭に、巨人のギャレットと中日のビシエドが対抗馬として名乗りを挙げてくるのではないでしょうか。

 そしてセ・リーグでもうひとり、注目したい新助っ人が阪神に入団したマット・ヘイグです。2008年のドラフト9巡目・全体264位でパイレーツから指名を受けたヘイグは、4年後の2012年にようやくメジャーデビューを果たしました。デビューした当初、パイレーツのサードにはのちに楽天でプレーしたケーシー・マギーが4番を務めており、右打ちのヘイグは左打ちの巨人・ギャレットと併用で起用されていたのです。

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