青木宣親「3割3分打つために、やるべきことはわかっている」 (4ページ目)

  • 島村誠也●取材・文text by Shimamura Seiya   織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

 以前、日本のプロ野球で活躍したオレステス・デストラーデ氏(元西武)は近年、メジャーリーグで苦しんでいる日本人野手について、以下のように解説をしてくれた。
「基本的なことを言えば、日本人野手にとってメジャーリーグはとてもタフな場所だということだね。メジャーリーグは30球団あって、1チームにつき12人ぐらいの投手がいる。日本とは投手の数が全然違う。これだけの投手の情報を勉強するのは大変なことなんだよ」と。話を青木に戻す。

――青木選手は1、2年目のシーズンをナ・リーグのブルワーズ、3年目がア・リーグのロイヤルズ、昨年がナ・リーグのジャイアンツで、今年はア・リーグのマリナーズです。対戦投手を覚えるのもかなり大変だと思われます。

「両リーグでプレーしてきたので、だいぶメジャーリーグのこともわかってきました。たしかに投手の数は多いですが、それが当たり前ですから。大変だとは思っていません。今はレポートを見なくても『あ、この選手から三振したな』とか。そういうことも増えてきました。

最初の頃は、いつもいつもビデオルームに1時間くらい籠もって、映像とレポートを見ていましたが、今は頭の中にデータが入っていることもありますし、最近はその時間も減りました。初対戦にしても、データがあるほうがいいですけど、ものすごいイヤかと聞かれれば、そうでもない。ピッチャーの投げ方を見て『このタイプなら球種はこれとこれだな』とわかってきているので。そのあたりの知識は増えました」
 
「タイトルが何かほしいですね」と発言した時は「大胆なことを」と思ったが、その話を聞いていくと、メジャー4年間の経験に裏打ちされたものだとわかる。そうなると、今シーズンの青木への期待は否が応でも高まっていくのである。

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