イチローの天敵も、幻の完全試合男も。去りゆくメジャーの名選手 (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 試合後、ジョイス審判は自らの誤審を認めました。しかし、ガララーガは「誰しも完璧ではない」と語り、批判に晒(さら)されるであろう相手を気遣ったのです。このすばらしい言動に対し、全米中の野球ファンは多大なる賞賛の言葉を贈りました。

 その後のガララーガは、残念ながら二度と同じような快投を演じることはありませんでした。2012年を最後にメジャーの舞台から遠ざかり、2014年には台湾、そして2015年はメキシカンリーグでプレー。メジャー復帰を目指していましたが、先日、引退を発表しました。

 今年は他にも、得意のカットボールでオールスター3度出場のダン・ヘイレン、2000年に新人王を獲得した通算314盗塁のラファエル・ファーカル、松井秀喜選手がデビューした2003年に14勝をマークして新人王に輝いたドントレル・ウィリスなどがプロ生活にピリオドを打ちました。全員を紹介できないのは残念ですが、彼らが見せてくれたすばらしいプレーを忘れることはないでしょう。

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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