イチローの天敵も、幻の完全試合男も。去りゆくメジャーの名選手 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 2008年以降はロサンゼルス・エンゼルス、デトロイト・タイガースと渡り歩き、今年は古巣のツインズに復帰。最後は自身を育ててくれたミネソタでユニフォームを脱ぎました。

 個人的に心残りなのは、メジャー19年間で通算2372試合に出場しながら、一度もワールドシリーズに出場できなかったことです。ワールドシリーズ未経験の現役選手のなかで、通算試合数でもっとも多かったのがハンターで、次に多いのが通算2357試合のイチロー選手です。ハンターの引退を見ながら、ぜひとも来年はイチロー選手にワールドシリーズに出てもらいたいと思いました。

 そして最後に紹介したいのは、ベネズエラ出身のアーマンド・ガララーガです。名前だけ聞いても、ピンとこない人が多いのではないでしょうか。2007年から2012年までメジャーに6年間在籍し、通算成績は26勝34敗・防御率4.78。成績を見る限り、スター選手ではありません。

 しかし、ある試合だけは、ファンの記憶に深く刻まれることになりました。それは、2010年6月2日にデトロイトで行なわれた、タイガース対クリーブランド・インディアンス戦です。

 この日、タイガースの先発を務めたガララーガは、9回ツーアウトまでひとりの走者も出さないパーフェクトなピッチングを続けていました。そして最後のバッターも平凡な一塁ゴロに打ち取り、史上21人目の完全試合達成と、誰もが思いました。しかし、アウトになる瞬間、ジム・ジョイスという一塁塁審はセーフの判定を下したのです。

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