前田健太を欲しがっているメジャー球団、それぞれのチーム事情

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ア・リーグ西地区で可能性があるのは、C.J.ウィルソン(8勝8敗・防御率3.89)の放出を検討しているロサンゼルス・エンゼルスぐらいでしょうか。現時点での状況を見てみると、西地区に限らず、他の地区に目を向けてもいいかと思います。

 東地区なら、ア・リーグのボルチモア・オリオールズ。かつて中日に在籍していたチェン・ウェイン(11勝8敗・防御率3.34)がFAとなったので、補強の第1希望は同じ左投手ですが、レンジャーズからFAとなった右腕のヨバニ・ガヤルド(13勝11敗・防御率3.42)との交渉と平行して、前田投手の獲得に動くかもしれません。

 中地区なら、ナ・リーグのセントルイス・カージナルスに注目です。先発の柱であるジョン・ラッキー(13勝10敗・防御率2.77)が2年総額3200万ドル(約39億3000万円)でシカゴ・カブスと契約し、4年連続でふたケタ勝利を挙げていたランス・リン(12勝11敗・防御率3.03)はトミー・ジョン手術で来シーズン絶望。デビッド・プライス(ブルージェイズ→レッドソックス)やジェフ・サマージャ(ホワイトソックス→ジャイアンツ)の獲得にも失敗したので、前田投手の動向を探っているようです。

 今オフの移籍市場は、有力な先発投手が例年以上に各チームを行き交っています。最終的に前田投手を必要とする球団はどこなのか――。ウインターミーティングを終えた今、意外なチームが獲得に乗り出す可能性もあり、現地からのニュースから目が離せません。

※現地12月11日現在。データは2015年シーズンの成績

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プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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