MLB総括。岩隈久志のノーヒッターを生んだ「まさかのデータ」 (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

【第1位】 カンザスシティ・ロイヤルズの世界一

 やはり第1位はこの出来事を挙げなければならないでしょう。ポストシーズンで8度も逆転勝ちを収め、そのうち2点差以上の逆転は史上最多の7度。世界一へと駆け上がっていくロイヤルズのポストシーズンは、まさしくミラクルの連続でした。

 特に印象的だったのは、アストロズとのディビジョンシリーズです。1勝2敗と王手をかけられて迎えた第4戦。7回の裏に3点を奪われ、2-6と追い込まれたロイヤルズは敗色濃厚でした。しかし、8回の表に5点を奪い返し、逆転勝利で2勝2敗のタイに持ち込んだのです。その後、ロイヤルズはさらに勢いづき、頂点まで一気に駆け上がりました。

 ロイヤルズにとって、あの試合がターニングポイントだったと思います。ひとつボタンを掛け違えば、アストロズが世界一になっていたかもしれません。30年ぶり2度目の世界一に輝いたロイヤルズの戦いぶりは、2015年シーズンを象徴する出来事として、今後も語り継がれていくことでしょう。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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