投手・イチローの評価は?メジャーリーグ「今年の10大ニュース」 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

【第8位】 イチロー選手、念願の投手デビュー

 10月4日、今季最終戦となったフィラデルフィア・フィリーズとの試合で、マイアミ・マーリンズのイチロー選手が投手としてメジャーデビューを果たしました。8回の裏にマウンドに上がり、5人と対戦して2安打1失点。18球を投げて、ストライクは11球でした。

 アメリカのスポーツサイト上では、シーズンが終わってもこのイチロー選手の投球が話題となっています。「野手としてもっとも効率的な投球フォームの持ち主」ということで、イチロー選手のピッチングに賞賛の声が集まっていました。

 メジャーリーグの歴史を振り返ると、殿堂入りした多くの野手たちが、「メジャーのマウンドに立ちたい」という夢を叶えています。「最後の4割バッター」テッド・ウィリアムズ(1939年~1960年/元ボストン・レッドソックス)、首位打者7回のスタン・ミュージアル(1941年~1963年/元セントルイス・カージナルス)、7年連続シーズン200安打達成のウェイド・ボッグス(1982年~1999年/元レッドソックスなど)……。マウンドに立った偉大な野手たちの一員に、イチロー選手も加わることになったのです。

 近年では、スター選手がマウンドに上がるという夢を叶えることは難しくなりました。なぜならば、ひじなどを痛める危険があるので、球団としてはそのリスクを避けたいからです。今回のイチロー選手の登板は、マーリンズのダン・ジェニングス監督の粋な計らいによるもの。イチロー選手は夢を実現できて、本当に良かったと思います。

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