ロイヤルズを30年ぶりの世界一に導いた「3人のキーパーソン」 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 また、ワールドシリーズの第4戦と第5戦をモノにできたのも、ケインのおかげだと思います。第4戦では2-3と追い込まれた8回の表、1アウト一塁の場面で打席に立ったケインは、2ストライクと追い込まれてから8球粘ってフォアボールで出塁。そこからチャンスが広がり、最後はケインが勝ち越しのホームを踏みました。

 そして第5戦も、0-2で迎えた9回の表、先頭バッターのケインはフォアボールで出塁すると、すかさず盗塁に成功。すると、次のバッターのエリック・ホズマーが大振りせずにコンパクトなバッティングでヒットを放ち、その結果、ケインがスピードを生かしてホームを陥れたのです。

 ワールドシリーズでのケインは打率.227と、決して良い数字ではありませんでした。しかし、4つのフォアボールと4つの盗塁をマークし、ロイヤルズの勝利に貢献していたのです。伝統の機動力野球に徹するケインがいたからこそ、ロイヤルズはワールドチャンピオンになれたのだと思います。

 次に紹介する「守備」も、近年のロイヤルズを支えている屋台骨のひとつです。昨年、ロイヤルズはゴールドグラブ賞の受賞者を3人輩出しました。そして今年もすでにノミネートが発表され、キャッチャーのサルバドール・ペレス、ファーストのエリック・ホズマー、ショートのアルシデス・エスコバー、レフトのアレックス・ゴードンの4人が挙がっています。

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