ロイヤルズvs.メッツ。カギは「初回」と「終盤」の攻防にあり! (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 すでにご存知のとおり、マーフィーはポストシーズン新記録となる6試合連続ホームランを継続中です。彼がメジャー7年間で打ったホームランは合計62本。今シーズンは自己最多の14本をマークしましたが、過去に一度しか2試合連続ホームランを経験していなかったのです。この突然の大ブレイクに、全米中が大いに沸いています。

 一方、ロイヤルズはゲーム終盤での粘り強い攻撃が特色です。プレーオフ11試合のデータを見てみると、初回から6回までは打率.212と、まったく打てていません。しかし、7回以降になると打率.387と飛躍的に向上し、さらに8回以降なら打率.413とさらに跳ね上がっているのです。

 今回のワールドシリーズの山場は、メッツの若い先発投手陣がマウンドを降りたあとの、ゲーム終盤にあるように思います。そうなると、勝負のカギを握っているのは、メッツのリリーフ陣でしょう。クローザーのジェウリス・ファミリアはあいかわらず絶好調で、今回のプレーオフでも8試合に登板し、9イニング3分の2を投げて、打たれたヒットはわずか2本。失点ゼロで5セーブをマークしています。つまり、メッツの中継ぎがどこまでロイヤルズ打線を抑えられるかが、勝負の分かれ目になりそうな気がします。

 今年のワールドシリーズは、第1戦と第2戦をロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムで行ない、第3戦から第5戦をメッツの本拠地シティ・フィールド、そして第6戦と第7戦はふたたびロイヤルズのホームで戦います。ロイヤルズが勝てば30年ぶり、メッツが勝てば29年ぶり――。世界一の栄冠を勝ち取るのは、はたしてどちらのチームでしょうか。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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