ロイヤルズvs.メッツ。カギは「初回」と「終盤」の攻防にあり!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

【MLBポストシーズン2015】ワールドシリーズ展望

 10月27日(日本時間10月28日)、いよいよ2015年シーズンのワールドシリーズが開幕します。今年の頂上決戦に駒を進めたのは、カンザスシティ・ロイヤルズとニューヨーク・メッツ。ともに1961年以降のエクスパンション(球団拡張)で誕生したチームで、ワールドシリーズでの対戦は初となります。

6試合連続ホームランを継続中のダニエル・マーフィー6試合連続ホームランを継続中のダニエル・マーフィー 1969年、メッツが球団創設8年目にして初の世界一に輝き、「ミラクル・メッツ」と呼ばれた年にロイヤルズが誕生。そして、1985年にロイヤルズが初めてワールドシリーズを制すと、翌1986年にはメッツが2度目の頂点を掴みました。その後、1990年代前半や2000年代前半に低迷時期を経験するなど、似たような境遇を辿ってきたチーム同士です。

 リーグチャンピオンシップシリーズでの両者の戦いぶりを見ていると、今回のワールドシリーズのひとつ目のポイントは、「メッツ投手陣vs.ロイヤルズ打撃陣」だと感じました。

 まず、メッツの投手陣で特筆すべき選手は、4人の若き先発ピッチャーでしょう。26歳のマット・ハービー、27歳のジェイコブ・デグロム、23歳のノア・シンダーガード、24歳のスティーブン・マッツ――。いずれも100マイル(時速約160.9キロ)前後の速球を武器とする豪腕ばかりです。

 メッツは今回のプレーオフで9試合を戦い、先発陣の投げた速球が95マイル(約152.8キロ)以上をマークしたのは、合計で411球ありました。これは、他のプレーオフ出場チーム9チームの先発陣がマークしたそれをすべて足した合計と、ほとんど変わらない数字なのです。まさしくメッツは、速球でワールドシリーズまで勝ち上がってきたと言えるでしょう。

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