ディビジョンシリーズ開幕。
ア・リーグ覇者ロイヤルズを倒すのはどこだ?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そして、プライスとともに先発陣で見逃せない存在が、2番手投手のマーカス・ストローマンでしょう。開幕前に左ひざのじん帯を断裂した24歳右腕は、今シーズンは復帰絶望と言われていました。しかし、9月11日にメジャー復帰を果たすと、4試合の先発で4勝0敗・防御率1.67をマーク。9月に記録したプライスとストローマンの合計成績は、9勝0敗・防御率2.02という驚異的なものです。ブルージェイズは破壊力抜群の打線がウリですが、この先発2枚看板の存在も決して侮ってはいけません。

 一方、ブルージェイズと対戦するレンジャーズは、奇跡的な地区優勝を遂げたチームです。なにしろ、昨シーズンは西地区の最下位。しかも、ア・リーグ15チームで最低の成績。開幕当初のレンジャーズは投打が噛み合わず、最下位からのスタートでした。しかし、シーズン後半から怒涛の追い上げを見せ、9月15日に首位の座を奪取。そしてレギュラーシーズン最終日のロサンゼルス・エンゼルス戦で勝利し、劇的な地区優勝を果たしたのです。

 レンジャーズもブルージェイズと同じく、強力な打線が魅力です。今シーズンはメジャー3位の751得点を記録し、特に9月以降ではブルージェイズをしのぐメジャー1位の176得点をマークしています。シーズン終盤の勢いは、決してブルージェイズに負けていません。韓国出身の秋信守(22本塁打)、主軸を任されるエイドリアン・ベルトレ(18本塁打)、2007年・本塁打王のプリンス・フィルダー(23本塁打)......。このディビジョンシリーズは壮絶な打ち合いになるかもしれません。

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