防御率3点台半ば。それでも田中将大を評価すべき理由 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 しかし、厳しい状況の2シーズン目でも、特筆すべき点は多々あります。まずは、先発投手にとって大事なローテーションをきっちりと守っている点です。シーズン序盤、田中投手は1ヶ月ほど故障者リストに入っていましたが、復帰した6月以降は基本的に中5日のペースで投げています。

 それに加えて今シーズンは、きちんとゲームを作っているところも素晴らしいと思います。6月3日の復帰以降、19試合に先発登板していますが、そのうち17試合で6イニング以上を投げています。また、さらにその17試合中15試合で3自責点以内――すなわち、クオリティスタートという結果を残しているのです。このように、先発投手としての役割をきっちりと果たしている点は見逃せません。

 防御率に関しても、月日を追うごとに徐々に改善されてきました。6月の防御率4.35に対し、7月(3.67)、8月(3.18)、そして9月(2.30)と、どんどん数字は良くなっているのです。

 ヤンキースの所属するア・リーグ東地区は、ブルージェイズを筆頭に強力な打線を擁するチームばかり。この地区で良い防御率を残すのは、容易なことではありません。実際、ヤンキース先発陣の防御率を見ても、14勝(3敗)のネイサン・イオバルディが4.20、10勝(8敗)のマイケル・ピネダが4.25、6勝(8敗)のイバン・ノバが5.11、4勝(9敗)のサバシアが4.93と、すべて田中投手より悪い数字なのです。

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