イチローは残留か移籍か。マーリンズに迫るタイムリミット (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そしてもうひとり挙げるならば、1990年代にクリーブランド・インディアンスで不動の1番バッターとして活躍したケニー・ロフトンでしょう。5年連続で盗塁王に輝き、ゴールドグラブ賞も4年連続で受賞するなど、ロフトンはイチロー選手と同じく「走・攻・守」に秀でたプレーヤーでした。

 2002年、ロフトンはシーズン途中にシカゴ・ホワイトソックスからジャイアンツに移籍すると、そこでリーグ優勝に貢献します。そして2003年もシーズン途中にシカゴ・カブスに移籍して地区優勝。さらに2004年はニューヨーク・ヤンキースに引き抜かれ、またも地区優勝に貢献しています。その後も、2006年はロサンゼルス・ドジャースでワイルドカード進出、2007年はシーズン途中に古巣のインディアンスに戻って地区優勝。ロフトンも毎年のようにチームを渡り歩き、貴重な戦力として活躍しました。

 将来の殿堂入りが確実なイチロー選手ほどの偉大なプレーヤーは、1回の打席、1本のヒットが試合を決める大事な場面であってほしいと願っています。ぜひとも優勝を争うような重要な試合で、イチロー選手のプレーが見てみたい。はたしてイチロー選手は、シーズン後半戦もマイアミでプレーしているのか、それとも優勝を争う上位チームのユニフォームを着ることになるのか――。移籍市場はオールスター前後で大きく動くので、イチロー選手とマーリンズの動向から目が離せません。

※数字は7月7日現在

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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