イチローは残留か移籍か。マーリンズに迫るタイムリミット (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 もちろん、プレーオフ進出の望みを完全に捨てているわけではないでしょう。7月2日にはエースのホセ・フェルナンデスがトミー・ジョン手術から約1年ぶりに復帰し、もうひとりの先発の柱だったヘンダーソン・アルバレスも近日中に右肩の故障から戻ってくる予定です。ところが、巻き返しに向けて好材料が揃いつつあるとき、ナ・リーグ1位の本塁打(27本)・同2位タイの打点(67打点)でマーリンズ打線を引っ張っていたスタントンがまさかのアクシデント......。ワイルドカードを狙うといっても、圏内となる3位と10.5ゲーム差も開いているので、こちらも厳しいと言わざるを得ません。

 7月に入ると、各チームはプレーオフ進出を目標に戦いを続けるのか、それとも来シーズンを見越して若手主体に切り替えるか、今後の方針を決断しなければなりません。現状どおりプレーオフ進出を目標とするならば、イチロー選手は大事な存在でしょう。しかし、若手育成にシフトするような決断をすれば、イチロー選手の出番は激減する可能性も十分にあります。そうなれば、まさに飼い殺しのような状況に陥るかもしれません。それは我々日本人ファンからすれば、非常にもったいないことです。

 当然、イチロー選手の気持ちが一番大事なのは重々承知です。マーリンズの野球環境はいいと、彼自身も発言しています。ただ、個人的には、イチロー選手には優勝を争うチームで戦ってこそ、彼の存在価値がより発揮されると思っています。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る