ツーシーム、バックドア...。今メジャーリーグで話題の球種は? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 次に紹介するのは、「スパイク・カーブ(spike curve)」です。これは、人差し指を曲げてボールに押し当てるようにして握ります。指でボールに回転を与えるため、鋭いカーブとなるのが特徴です。近年のメジャーでスパイク・カーブの使い手と言えば、シアトル・マリナーズのタイフアン・ウォーカーが挙げられます。

 そして最近、新たに登場してきたカーブは、「ヤッカー(yakker)」でしょう。メジャー中継を見ていると、解説者がヤッカーという表現をよく使うようになりました。大きく曲がるカーブのときに使われることが多く、オークランド・アスレチックスの若きエース、ソニー・グレイが代表的な使い手と言われています。

 数年前から、「トゥエルブ・トゥ・シックス・カーブボール(12 to 6 curve ball)」という表現が日本でも紹介されるようになりました。これは、ボールの軌道が時計の文字盤の12時から6時に向かっていくことで、つまり縦に大きく割れるカーブのことを指しています。メジャーではフィラデルフィア・フィリーズのクリフ・リーが得意とし、このカーブで三振の山を築いています。

 それが最近、「12 to 6」に似たような新しい呼び名が登場してきました。それは、「テン・トゥ・フォー・カーブボール(10 to 4 curve ball)」です。つまり、時計の文字盤の10時から4時に向かって曲がる軌道のカーブなので、左ピッチャーの場合に使われています。これを得意としているのは、アスレチックスのドリュー・ポメランツという左腕投手です。右バッターと対峙したときは、打者のひざもとを突き刺すようなカーブなので、「ニー・バックリング・カーブ(knee buckling curve)」とも呼ばれています。

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