41歳のベテラン大活躍。「ミラクル・メッツ」再現なるか?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そんな当時の勢いを彷彿とさせる今シーズンのメッツですが、開幕前の評価は決して高くありませんでした。メッツ躍進の原動力となっているのは、ふたりの先発ピッチャーの存在です。まずひとりは、メジャー18年目を迎える41 歳のバートロ・コローン。コローンは開幕から見事なピッチングを披露し続け、5月12日現在、ナ・リーグ1位の6勝(1敗)をマークしています。40歳を超える大ベテランの活躍ぶりは、アメリカでも大きな話題となっています。

 そしてもうひとりは、26歳の若き豪腕マット・ハービーです。2013年に先発陣の主軸として活躍するも、シーズン途中に右ひじを傷めてトミー・ジョン手術を行ない、昨年は一度もマウンドに上がることができませんでした。しかし、2年ぶりにカムバックすると、開幕から5連勝をマークして完全復活を果たしたのです。このベテランと若手のおかげで、現在メッツは東地区のトップを走っています。

 また、彼ら以上に驚くべき活躍を見せたのが、ヘウリス・ファミリアというクローザーでしょう。今季、メッツのクローザーを務める予定だったのは、昨年28セーブを挙げたヘンリー・メヒアでした。しかし開幕前、薬物規定違反により80試合の出場停止処分が下されてしまったのです。

 そして急きょ代役として指名されたのが、ドミニカ出身の25歳右腕・ファミリアでした。すると、ファミリアは難なくセーブを積み重ね、5月1日には両リーグを通じて10セーブ一番乗り。しかも、救援失敗が一度もないという完璧な内容です。

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