野茂英雄、メジャーデビュー20周年。5月2日を振り返る (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 試合が始まると、野茂投手の投じる1球1球を固唾(かたず)を呑んで見ました。初回、1番バッターのダレン・ルイスを空振り三振に仕留め、2番のロビー・トンプソンをファーストフライに討ち取ると、3番のバリー・ボンズがバッターボックスに登場。メジャーを代表するスラッガーとの初対決を迎えるも、フォアボールを与えてしまい、その後ツーアウト満塁となりました。しかし、迎えた6番のロイス・クレイトンをまたも空振り三振で仕留め、初回のピンチを逃れたのです。

 その後、立ち直った野茂投手は好投を続け、5回をわずか1安打・無失点・7奪三振という素晴らしいピッチングでマウンドを降りました。野茂投手が降板したあと、間もなくしてNHKのライブ中継も終わりましたが、放送終了後、たった5イニングだったのにすごく疲れたのを覚えています。ずっと緊張しっぱなしで、気持ちが高ぶっていたからでしょう。

 その後、NHKの控え室で5回以降の試合を見続けました。実はこの野茂投手のデビュー戦、とても長い試合だったのです。延長14回まで0対0が続き、15回の表にドジャースが3点を奪取。これでようやく試合が決したかに思いました。しかし、その裏にジャイアンツが4点を奪い返し、なんと逆転サヨナラ勝ちでゲームの幕を降ろしたのです。

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