球速低下が指摘される田中将大。問題はそこではない (3ページ目)
バーランダーは今年初めて故障者リストに入ったものの、原因は右上腕三頭筋を傷めたもので、これまでひじの故障はありません。昨年まで8年連続で200イニング以上を投げています。サバシアは昨年右ひざの炎症で戦線を離脱しましたが、彼もひじのトラブルはありません。2013年まで7年連続で200イニングを投げていました。そしてシャーザーも、過去にひじを傷めることなく5年続けて180イニング以上を投げ、ここ2年は200イニングを突破しています。
速球を武器とする本格派ピッチャーは、圧倒的にひじを傷めやすいと言われています。しかし、球界を代表する彼ら豪腕ピッチャーは、いずれもひじを故障していません。最高時速と平均時速の差を広げることによって、つまりストレートを常に全力で投げないことによって、ひじを傷めずに選手生命を伸ばしているのです。
一方、ひじのじん帯を傷めながら、トミー・ジョン手術を回避して結果を残したピッチャーもいます。たとえば、セントルイス・カージナルスのアダム・ウェインライト。彼はマイナー時代の2004年に右ひじのじん帯を部分断裂しましたが、手術を回避して翌年にはメジャーに昇格して大ブレイク。2011年2月にトミー・ジョン手術に踏み切るものの、それまでの5年間はメジャーの第一線でエースとして活躍しています。
ミネソタ・ツインズのアービン・サンタナも、回避しながら結果を出したピッチャーです。2009年に右ひじのじん帯を部分断裂するも、2010年は自己最多の17勝、そして2011年も11勝と、2年続けて200イニング以上を投げました。
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