歴代大統領もマウンドへ。メジャー開幕戦は「特別な日」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 メジャーリーグの開幕戦には何度も現地に行っているのですが、その中でも印象に残っているのは、1996年3月31日に行なわれたシアトル・マリナーズ対シカゴ・ホワイトソックス戦です。舞台は当時のマリナーズのホーム球場だった「キング・ドーム」でした。1990年以降、テレビ中継の影響で開幕日が4月第1週の月曜日から1日繰り上がるようになったものの、野球のシーズンは必ず4月にスタートしていました。しかし、1996年はポストシーズンの試合数増加によって、メジャー史上初めて3月に開幕することになったのです。

 しかも、その試合内容がすごかった。マリナーズの先発はランディ・ジョンソン。その最強左腕に対し、ホワイトソックスの主砲フランク・トーマスが初回にツーランを打ったのです。しかし、ジョンソンもその後は立て直し、7イニングで14奪三振という見事なピッチングを披露しました。そして最後は延長12回の裏、当時まだ9番打者だった若き日のアレックス・ロドリゲスがサヨナラヒットを放ち、マリナーズが開幕戦を制したのです。

 また、1993年にメジャー創設1年目のコロラド・ロッキーズが当時のホーム球場「マイル・ハイ・スタジアム」で行なった開幕戦も強烈に覚えています。対戦相手にモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)を迎えたオープニングゲームには、8万227人もの大観衆が詰め掛けました。野球の試合で8万人を超える観客を見たのは、もちろん初めてのことです。

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