開幕直前。ヤンキース&レッドソックス、名門復活の予感 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 一方、投手陣は昨年7月にエースのジョン・レスター(現シカゴ・カブス)をオークランド・アスレチックスにトレードで出すなど、昨年開幕時の先発5人のうち4人を放出。「今年のレッドックスは大丈夫なのか?」と危惧されていました。

 たしかに、今年のレッドソックスには、「真のエース」というべき投手はいません。しかし、チーム生え抜き9年目のクレイ・バッツホルツを中心に、先発候補5人が全員30歳以下というメンバーで構成されているのです。この若さこそが、レッドソックス復活のカギと言われています。

 また、今年のレッドソックスは先発候補5人のうち、誰かが調子を崩したとしても、さらに若い先発要員が控えているのも高評価の理由です。24歳のマット・バーンズはオープン戦で最速97マイル(約156キロ)を記録し、22歳のヘンリー・オーウェンスも最初の3試合で合計わずか3安打・7奪三振という好成績をマーク。さらに、かつてレッドソックスのエースとして君臨したペドロ・マルティネス(1992年~2004年に在籍)が大絶賛している21歳のエドゥアルド・ロドリゲスというベネズエラ出身左腕も緊急時に補充することができます。

 今オフ、レッドソックスはフィラデルフィア・フィリーズでエースを務めるコール・ハメルズを獲得するのでは、という話題が持ち上がりました。しかし球団は、「今のところ獲得する必要はない」と語っています。その発言の裏には、彼ら若手ピッチャーの成長に対する自身がうかがえます。今シーズン、順調に勝ち星を積み重ねていき、2008年のワールドシリーズでMVPに輝いたハメルズをシーズン途中から加えることができれば、レッドソックスは一気に頂点まで駆け上がって行くかもしれません。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る