今年のワールドシリーズは「マーリンズ対マリナーズ」? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 まず、3番手は26歳のジェームズ・パクストン。2013年9月にメジャーデビューしたパクストンはその年、4試合に先発して3勝1敗・防御率1.50という素晴らしい成績を残しました。しかし、期待された昨年は開幕2試合の先発で2勝0敗・防御率2.25と好スタートを切ったものの、その後、左肩の故障により4ヵ月ほど戦線を離脱。結果、不本意なシーズンとなってしまいました。ただ、今年のキャンプでは順調に回復した姿を見せており、先発3番手のポジションを掴みそうな勢いです。

 そして4番手は、トロント・ブルージェイズから獲得した32歳のJ.A.ハップ。昨年11勝(11敗)をマークした新戦力の加入で、マリナーズの先発陣はさらに厚くなりました。そして5番手の座を巡っては、3人の若手が台頭してきています。22歳のタイフアン・ウォーカー、26歳のロエニス・エリアス、24歳のエラスモ・ラミレス。この3人が最後の先発の座をかけてしのぎを削っているのです。激しいポジション争いは、間違いなくチーム内に良い刺激をもたらしているでしょう。

 ナ・リーグはマーリンズ、ア・リーグはマリナーズと、偶然にも日本人メジャーリーガーの所属するチームが高く評価されています。アメリカの全国紙『USAトゥディ』のボブ・ナイチンゲールという有名な記者は、「今年のワールドシリーズは、マーリンズ対マリナーズ」と予想しているほどです。ワールドシリーズでイチロー選手と岩隈投手が対決するとなれば、日本中が熱狂することでしょう。はたして今シーズンはどんな展開になるのか、メジャー開幕が楽しみです。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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