41歳になっても外野手を務めるイチローのすごさ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 また、フィンリーの守備力は40歳を過ぎても健在で、139試合のうち守った130試合はすべてセンターで出場しています。これは、センターとして100試合以上出場した選手のメジャー最年長記録(41歳)です。

 40歳を過ぎて外野を守ることがいかに大変なことか、過去の歴史からうかがい知れると思います。しかも、イチロー選手の場合は「第4の外野手」としての役割を求められています。今年のオープン戦でも、外野のレギュラー3人(ライト=ジャンカルロ・スタントン、センター=マーセル・オズナ、レフト=クリスチャン・イエリッチ)がメンバーから外れたとき、その代わりに外野のポジションで出場しています。レギュラーシーズンが始まっても、同様のケースで起用されることでしょう。つまり、外野のどのポジションでも起用されるということは、イチロー選手の守備力が高く評価されているからです。

 オープン戦でのイチロー選手は、早くも守備面で大いにアピールしています。ライトやレフトのポジションで強肩を披露し、チームメイトを驚かせました。今年のイチロー選手はある意味、バッティング以上に守備で注目されるでしょう。

 41歳という年齢にして、ライト、センター、レフトの3つのポジションで試合に出続けるケースは、おそらく過去に前例のないことだと思います。41歳で100試合以上センターを守ったフィンリーの最年長記録のように、ちょっとマニアックなデータが今後出てくるかもしれません。今シーズンのイチロー選手は、守備の面でも偉大な記録に挑戦していると思います。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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