41歳になっても外野手を務めるイチローのすごさ

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 その代表格といえば、リッキー・ヘンダーソン(1979年~2003年)でしょう。歴代1位の通算1406盗塁をマークし、史上最高の1番バッターと称される「世界の盗塁王」です。彼は41歳になった2000年、メッツとシアトル・マリナーズで合計123試合に出場し、打率.233・4本塁打・32打点という成績を残しました。また、出塁率.368という高い数字を叩き出し、さらに驚くべきはマリナーズ移籍後に31盗塁をマークして、その年のア・リーグ4位の数字を残しているのです

 マリナーズでのヘンダーソンはレフトで88試合に出場しているので、堂々たるレギュラー外野手です。ただ、守備は決して上手ではないので、デビュー当初から彼のポジションはレフトでした。歴代1位の通算762本塁打を記録したバリー・ボンズも、2007年(当時43歳)に現役を退くまでレフトのポジションを守っていました。3つの外野のポジションの中でも、レフトは守備力より打撃力が重視されます。

 しかしながら、40歳を過ぎても外野の守備の要であるセンターを守ったすごい選手もいます。それは、メジャー8球団を渡り歩いたスティーブ・フィンリー(1989年~2007年)です。フィンリーはメジャーリーグ史上6人目の通算300本塁打・300盗塁を達成したパワーとスピードを兼ね備えた選手で、センターでゴールドグラブ賞を5回も受賞しました。

 2006年にフィンリーが41歳のときは、ジャイアンツで139試合に出場して打率.246・6本塁打・40打点をマークしています。そして驚くべきは、三塁打の数が12本もあること。この数字は同年ナ・リーグ4位であり、スピードはまったく衰えていなかったのです。

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