イチローとマーリンズの相性が良い5つの理由

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 1月29日、ニューヨーク・ヤンキースからFAとなっていたイチロー選手(打率.284・1本塁打・22打点・15盗塁)が東京都内で会見を行ない、ナ・リーグ東地区に所属するマイアミ・マーリンズへの入団を改めて発表しました。契約内容は、年俸200万ドル(約2億3600万円)の1年契約。メジャー15年目となるイチロー選手にとって、初めてナ・リーグのチームでプレイすることになります。そこで今回は、イチロー選手がマーリンズを選んだ理由について、5つほど考えられる点を挙げたいと思います。

※カッコ内は2014年シーズンの成績

メジャー15年目はマーリンズでプレイすることになったイチローメジャー15年目はマーリンズでプレイすることになったイチロー まずひとつ目は、「マーリンズに優勝のチャンスがある」という点でしょう。昨シーズン、マーリンズは3年続いていた最下位のポジションから、ついに脱出することに成功しました。ただ、最下位ではないものの、昨季の成績は77勝85敗の東地区4位。よって今オフ、マーリンズはさらなる高みを目指すべく、近年まれに見る大補強に着手したのです。

 ロサンゼルス・ドジャースから昨季盗塁王のディー・ゴードン二塁手(打率.289・2本塁打・34打点・64盗塁)、サンフランシスコ・ジャイアンツからFAとなった強打者のマイケル・モース一塁手(打率.279・16本塁打・61打点)、そしてヤンキースから内外野を守れるユーティリティープレイヤーのマーティン・プラド(打率.282・12本塁打・58打点)と、タイプの違うバッターを次々と獲得。また、シンシナティ・レッズから2012年と2013年に14勝をマークしたマット・レイトス(5勝5敗・防御率3.25)という先発右腕も獲得しました。攻守ともに積極的に行なったマーリンズの補強は、アメリカでも話題になったほどです。

 昨年11月20日、マーリンズは看板スターのジャンカルロ・スタントン外野手(打率.288・37本塁打・105打点)と北米プロスポーツ史上最高額となる13年総額3億2500万ドル(約373億7500万円)で契約更新を成功させました。この内容からも、マーリンズの2015年シーズンに賭ける意気込みが伝わってきます。昨年のナ・リーグ東地区を制したワシントン・ナショナルズに勝つのは容易ではありませんが、ワイルドカードに食い込む実力は十分にあると思います。マーリンズが世界一に輝いた1997年と2003年も、ワイルドカードから勝ち上がって頂点をつかみ取りました。今シーズンのマーリンズは、大いに飛躍しそうな予感です。

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