【MLB】2015年は記録ラッシュ!歴史を塗り替える男たち (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 ただ、メジャーファンとしては、通算3000本安打に迫っていく過程も楽しみのひとつです。過去の偉大な選手の記録を次から次へと抜いていく「通算3000本安打への道」は、特にオールドファンにとってはたまらないものがあります。

 現在、イチロー選手のヒット数は、メジャー歴代46位タイの2844安打。1990年以降のメジャーを代表するキャッチャーだったイバン・ロドリゲス(1991年~2011年/レンジャーズなど)と並んでいます。次に迫る記録は、「人間掃除機」の異名を持ったブルックス・ロビンソン(1955年~1977年/ボルチモア・オリオールズ)の2848安打、「伝説のホームラン王」ベーブ・ルースの2873安打、一本足打法で名を馳せたメル・オット(1926年~1947年/ニューヨーク・ジャイアンツ)の2876安打、「史上最高の右打者」と言われたロジャース・ホーンスビー(1915年~1937年/セントルイス・カージナルスなど)の2930安打……と、名前を挙げればキリがありません。イチロー選手が彼らレジェンドの記録を抜いていく様(さま)を想像するだけで、今から胸がワクワクします。

 もちろん、メジャー通算3000本安打を達成する過程で、「ピート・ローズの持つ歴代1位の4256安打を、日米通算記録で抜くか」という話題も盛り上がることでしょう。イチロー選手は日米通算で4122安打をマークしているので、あと134安打でローズに並びます。ただ、個人的にはメジャーリーグだけで残した記録を重視したいので、ぜひともメジャー通算3000本安打を達成してほしいです。

 また、イチロー選手は今シーズン、メジャー通算500盗塁という大台も視野に捉えています。現在487盗塁をマークしているので、あと13盗塁。過去のメジャーリーグで、「通算3000本安打&500盗塁」を達成したのは、6人しかいません。ホーナス・ワグナー(1897年~1917年/ピッツバーグ・パイレースなど)、タイ・カッブ(1905年~1928年/デトロイト・タイガースなど)、エディ・コリンズ(1906年~1930年/シカゴ・ホワイトソックスなど)、ルー・ブロック(1961年~1979年/カージナルスなど)、ポール・モリター(1978年~1998年/ミルウォーキー・ブルワーズなど)、リッキー・ヘンダーソン(1979年~2003年/オークランド・アスレチックスなど)です。イチロー選手が球史に残る彼らの領域に迫っていくのも、2015年シーズンの楽しみです。

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