2014年総括。メジャーリーグを揺るがした5つの衝撃 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 この評価からも分かるとおり、田中投手はわずか1年で、誰もが認める存在になったのです。「日本のエース」が「世界のエース」であることを証明しました。シーズン途中のケガさえなければ、ヤンキースもポストシーズン進出を逃すことはなかったのではないでしょうか。前半戦だけの成績なら、個人的にはサイ・ヤング賞とMVPを与えたいぐらいの活躍だったと思います。

【第4位】 ヤンキース&レッドソックスがそろってプレイオフを逃す

「メジャー最大の激戦区」と言われるア・リーグ東地区で、常に地区優勝を争ってきたニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスが、2014年はそろってプレイオフ進出を逃しました。ヤンキースは1993年以来初めて2年連続でポストシーズンに進めず、レッドソックスは昨年の世界一から一転して地区最下位......。球界を代表するふたつの名門チームがこのような結果に終わったことに、正直、驚きを隠せません。

 また、何よりもショックだったのが、1931年に全米野球記者協会がMVP表彰をするようになって、2014年は初めて両チームからひとりも投票されなかったことです。それぐらい今年は、両チームともシーズンを通して活躍した選手が現れなったということでしょう。

 特にヤンキースは、「プレイオフに出て当たり前」と言われるぐらいの歴史ある常勝チームです。ワールドシリーズに最も近いチームだからこそ、黒田博樹投手も、イチロー選手も、ヤンキースに移籍してきました。しかし、ともにその夢は叶っていません。今後のことはまだ分かりませんが、ふたりともヤンキースと再契約する可能性は低いと言われています。ピンストライプのユニフォーム姿でワールドシリーズの大舞台に立って欲しかったので、近年のヤンキースの低迷は残念で仕方ありません。

 果たして来シーズンは、名門復活となるのでしょうか。メジャーリーグに欠かせない存在なだけに、ヤンキースとレッドソックスの奮起に期待しています。

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