【MLB】近年まれに見る選手大移動。今オフの勝ち組は? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 また、前出のマイアミ・マーリンズも良い補強ができたと思います。今季、マーリンズのチーム盗塁数はメジャー27位の58個という低い数字でした。そこで目を付けたのが、ドジャースで盗塁王に輝いたディー・ゴードン(打率.289・2本塁打・34打点・64盗塁)です。マーリンズのチーム盗塁数を上回るメジャートップの64盗塁をマークしたゴードンの加入により、機動力アップは間違いありません。

 この状況は、2003年にマーリンズが2度目の世界一に輝いたときと似ています。当時、マーリンズの魅力はスピードを生かした攻撃でした。1番にフアン・ピエール(現FA/2001年・2003年・2010年盗塁王)、2番にルイス・カスティーヨ(前ニューヨーク・メッツ/2000年・2002年盗塁王)という俊足コンビを揃え、機動力あふれる野球でワールドシリーズを制しました。

 今回の獲得によって、1番:ゴードン(64盗塁)、2番:クリスチャン・イエリッチ(21盗塁)、そして3番には今季本塁打王に輝いたジャンカルロ・スタントンが構える布陣となります。今オフ、スタントンがメジャー史上最高額となる13年総額3億2500万ドル(約386億円)で再契約したニュースは、すでにご存知のことでしょう。来シーズンのマーリンズは、2003年を彷彿とさせる魅力的な攻撃が展開できるのではないでしょうか。

 そして最後に、ボストン・レッドソックスデトロイト・タイガースも今オフで成功を収めたチームと言えるでしょう。まず、レッドソックスの勝因は、ジャイアンツのパブロ・サンドバル(打率.279・16本塁打・73打点)と、ドジャースのハンリー・ラミレス(打率.283・13本塁打・71打点)を、ともにFAで獲得できたことに尽きます。11月25日、サンドバルと5年総額9500万ドル(約110億円)、そしてラミレスと4年総額8800万ドル(約104億円)で契約しました。一気に強打者ふたりを加えたことで、レッドソックス伝統の強力打線が復活しそうです。

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