【MLB】近年まれに見る選手大移動。今オフの勝ち組は? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

2011年10月、元レッドソックスのGMだったセオ・エプスタインが球団副社長に就任してから、カブスは徐々に変化し始めました。昨年オフは田中将大投手の獲得に失敗したものの、ついに「真のエース」を手に入れることができたのです。ワールドチャンピオンになるための要素が、ようやく揃ってきたように感じます。

 そして今オフ、カブスと同じぐらい注目されたのが、同じ街に本拠地を置くシカゴ・ホワイトソックスです。12月9日、オークランド・アスレチックスからエース格の右腕ジェフ・サマージャ(7勝13敗・防御率2.99)をトレードで獲得し、さらに翌日にはニューヨーク・ヤンキースからFAとなったクローザーのデビッド・ロバートソン(4勝5敗39セーブ・防御率3.08)と4年総額4600万ドル(約55億円)で契約しました。わずか2日間で先発と抑えを一度に補強できたことは、大きな勝利と言えるでしょう。

 ホワイトソックスには「メジャー屈指の左腕」と呼ばれるクリス・セールがいるので、左右の先発の軸が早くも整いました。どちらもシーズン200奪三振以上を奪う本格派の豪腕タイプ。近年のホワイトソックスにはなかった、新しいダブルエースの誕生です。

 今季メジャー28位(防御率4.38)と低迷したリリーフ陣に、「マリアノ・リベラの後継者」としてヤンキースで台頭してきたロバートソンを加えられたことも非常に大きいでしょう。さらに、ミルウォーキー・ブルワーズからFAとなったザック・デューク(5勝1敗・防御率2.45)という左の中継ぎも補強しました。また、ホワイトソックスは打撃面に関しても、ワシントン・ナショナルズからアダム・ラローシュ(打率.259・26本塁打・92打点)という強打の一塁手をFAで獲得。シカゴの両チームがともに補強を成功させたので、早くもアメリカでは、「カブス対ホワイトソックスでワールドシリーズか?」という話題で持ちきりになっています。

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