ジーターは例外?ひっそりと引退したメジャーリーガーたち (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 ソリアーノの魅力は、パワーとスピードを兼ね備えた万能ぶりでした。2002年と2003年には「30本塁打・30盗塁」をマークし、2006年のワシントン・ナショナルズ時代にはメジャー史上4人目の「40本塁打・40盗塁」を達成しています。2006年のオフには、カブスと8年総額1億3600万ドル(約163億円・当時)という巨額契約を結び、スーパースターの地位を手に入れました。彼の異色の経歴を考えると、まさにシンデレラストーリーです。

 しかし、その後はチームの期待に沿うほどの成績は残せず、2013年7月に古巣ヤンキースへ復帰。メジャー通算2000本安打を達成しましたが、今シーズン途中に戦力外通告を受けて、引退を決断しました。

 このように、かつてチームの主軸として活躍したメジャーリーガーたちが、次々と選手生活にピリオドを打ちました。他にも、フロリダ(現マイアミ)・マーリンズ時代の2003年にワールドシリーズMVPを獲得したジョシュ・ベケット(34歳)、ヤンキースで松井秀喜氏とチームメイトだったボビー・アブレイユ(40歳)、ボルチモア・オリオールズ時代の2007年に盗塁王となったブライアン・ロバーツ(37歳)、アスレチックス時代に2001年から6年連続ゴールドグラブ賞を受賞したエリック・チャベス(36歳)……と、名のある選手がユニフォームを脱ぎます。全員を紹介できないのは残念ですが、彼らが見せてくれた素晴らしいプレイの数々を忘れることはないでしょう。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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