ジーターは例外?ひっそりと引退したメジャーリーガーたち (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 実はメジャー生活14年間で、ダンは一度もポストシーズンでプレイしたことがなかったのです。現役5位となる通算462本塁打をマークしておきながら、ポストシーズンで打席に立っていないのは、通算512本塁打を残して「ミスター・カブス」と呼ばれたアーニー・バンクス(1953年~1971年)に次ぐ記録。最大のチャンスを逃したショックが、引退の決断につながったのだと思います。あと38本塁打で殿堂入りの切符と言われている「500ホーマークラブ」に入れただけに、非常に残念です。

 そして残り2名は、ともに日本球界と縁(ゆかり)のあるメジャーリーガーを紹介しましょう。まずひとりは、今年楽天イーグルスでプレイしたケビン・ユーキリス(35歳)です。2004年にボストン・レッドソックスでデビューしたユーキリスは、4番バッターとして活躍し、地元ボストンで絶大な人気を博しました。スキンヘッドとヒゲの印象強い風貌、独特のバッティングフォーム、そして無類の勝負強さ……。いつも全力でプレイするユーキリスは多くのファンに愛されました。

 2012年にはボビー・バレンタイン監督との対立によってホワイトソックスへトレードされますが、2013年には移籍した名門ヤンキースで開幕4番に抜擢されました。メジャーリーグ史上、レッドソックスとヤンキースで開幕4番を務めたのは、ベーブ・ルースに次ぐ史上ふたり目の快挙です。ところがその後、ケガに泣いて結果を残せず、日本球界に来ることになりました。

 楽天に入ってからもケガに苦しみ、今年の5月に帰国。結局、わずか21試合で打率.215・1本塁打・11打点という成績でシーズンを終え、現役引退を決断しました。度重なるケガがなければ、もっと長くプレイできたでしょう。

 そしてもうひとりは、11月5日に母国ドミニカ共和国で引退表明したヤンキースのアルフォンソ・ソリアーノ(38歳)です。広島カープがドミニカで所有する野球スクール「カープアカデミー」で頭角を表し、1997年に一軍デビュー。その後、ヤンキースと契約してメジャーリーガーとなった話は有名でしょう。

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