ジーターは例外?ひっそりと引退したメジャーリーガーたち

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 しかし、2003年から5年続けて200イニング以上を投げた結果、右肩の痛みを抱えるようになりました。さらに、ザンブラーノはトラブルメーカーの一面もあり、2007年に女房役のマイケル・バレットと試合中に殴り合いの大喧嘩をしたり、2011年には危険球で退場となったあと、「引退する」と言い残して無断でロッカーを整理して帰ったこともありました。

 2012年にはマイアミ・マーリンズで復活を目指すものの、シーズン途中に解雇され、2013年はフィラデルフィア・フィリーズに拾われるも、結果を残せませんでした。そして、今年はどこからも声がかかることなく、ひっそりと引退することになったのです。過去には日本球界に来るウワサもありました。もし来日していれば、日本ハムの大谷翔平選手よりも先に、「ふたケタ勝利&ふたケタ本塁打」をマークしたかもしれません。

 一方、バッターで若くして引退を表明したのが、オーランド・アスレチックスのアダム・ダン(35歳)です。2001年にシンシナティ・レッズでデビューしたダンは、2004年から5年連続で40本塁打をマーク。まさに、球界を代表する左の長身スラッガーでした。

 彼の爆発的なパワーは、半端じゃありません。レッズ時代、本拠地グレート・アメリカン・ボール・パークでライト場外に放ったホームランは、球場横のオハイオ川まで飛びました。オハイオ川の向こう側はケンタッキー州なので、「となりの州までホームランを飛ばした男」として大きな話題となったのです。

 その後、いくつかのチームを渡り歩きましたが、今年8月に移籍したアスレチックスは、ダンにとってまさに求めていたトレード先でした。それは、プレイオフに進出できそうなチームだったからです。しかし、アスレチックスでは地区優勝争いに貢献できず、ワイルドカードプレイオフに駒を進めたものの、ダンには出場機会が与えられませんでした。

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