トレード打診殺到の岩隈久志。しかし動けない事情とは? (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 マリナーズの3番手以降には、ジェームス・パクストン(26歳)、ロエニス・エリアス(26歳)、タイフアン・ウォーカー(22歳)と、才能豊かな若手が台頭してきました。しかし、いずれもケガの心配を抱えており、来年のローテーションを安心して任せられるとは言い切れません。そんな状況で、岩隈投手を放出する……というのは、よほどの強打者がトレード相手でないと成立しないと思います。

 岩隈投手の年俸700万ドルという金額は破格の安さなので、トレードが殺到するのは当然です。本来なら2倍の1400万ドル(約16億4000万円)ぐらいの価値のあるピッチャーなのですから。ただ、岩隈投手をトレードに出せるほど、マリナーズ投手陣に余裕があるとも言いがたい。

 近年の目覚しい活躍で、移籍市場における日本人選手の価値は上がっています。来年はどんなユニフォームを着て、メジャーの舞台に立つのか――。今オフの彼らの動向から目が離せません。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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