後半戦、激化する地区優勝争い。キーワードは「西高東低」? (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 6月8日時点でナ・リーグ西地区を引っ張っていたのは、サンフランシスコ・ジャイアンツでした。メジャートップの勝率.667(42勝21敗)で首位を独走し、2位のロサンゼルス・ドジャースとは9.5ゲーム差。圧倒的な強さを見せ、早くも「2年ぶりのワールドチャンピオンに一直線」と話題になっていました。

 ところがその後、ジャイアンツは19試合で4勝15敗と大失速し、その間にドジャースに猛追されるのです。そして6月30日、ついに首位の座を奪われてしまいました。そして後半戦も、両者は一進一退の戦いを演じています(現在は2ゲーム差でジャイアンツが首位)。

 ジャイアンツにとって心配なのは、後半戦が始まってから9月7日までの約1ヶ月半の間に、4回もアメリカ東部への遠征があることでしょう。マディソン・バムガーナー(12勝7敗・防御率3.19)、ティム・リンスカム(9勝6敗・防御率3.65)、ティム・ハドソン(8勝6敗・防御率2.78)といった強力な先発陣が、夏場の過酷なスケジュールを耐え抜けるのか否か……。長期ロードの結果に注目です。

 一方のドジャースも、先発投手陣が地区優勝のカギを握っているでしょう。今シーズンはクレイトン・カーショウ(11勝2敗・防御率1.92)とジョシュ・ベケット(6勝5敗・防御率2.52)が前半戦でノーヒットノーランを達成しました。現地7月25日から27日にかけてサンフランシスコで行なわれる直接対決は、ハイレベルな投手戦になると思います。ジャイアンツのチーム防御率はリーグ4位(3.35)、対するドジャースはリーグ6位(3.41)。ナ・リーグ最大のライバル同士、ジャイアンツとドジャースが激突するナ・リーグ西地区は必見です。ぜひとも後半戦、激化する地区優勝争いに注目してください。

※カッコ内の成績は現地7月23日現在

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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