ヤンキースの救世主は、田中将大と「無名のテスト入団生」 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 そして最後は、ナ・リーグ西地区のコロラド・ロッキーズに所属するチャーリー・ブラックモンという27歳の外野手を紹介しましょう。2008年ドラフト2巡目(全体72位)でプロ入りしたブラックモンは、入団当初から若手有望株として注目されていました。ただ、2011年にメジャーデビューするものの、何度もマイナー降格を繰り返し、昨シーズンまでは控え外野手のひとりというポジションだったのです。

 しかし今シーズン、レギュラーに抜擢されてホーム開幕戦に出場すると、6打数6安打と大爆発。二塁打3本、ホームラン1本、1試合5打点という活躍で、いきなり全米中に名を知らしめたのです。その後も好調は続き、4月27日まで打率4割をキープ。現在はナ・リーグ8位の打率.319、同11位タイの9本塁打、同5位タイの33打点と、主要打撃部門でいずれも上位に名を連ねています。

 また、ブラックモンはパワーだけでなくスピードも兼ね備えており、リーグ9位タイとなる9盗塁をマーク。不動の一番バッターとしてロッキーズ打線を牽引しており、打率.375で首位打者のトロイ・トゥロウィツキーとともにナ・リーグMVP候補と言われています。

 現在、ロッキーズはナ・リーグ西地区でサンフランシスコ・ジャイアンツに次ぐ2位をキープしています。開幕前の下馬評が悪かっただけに、この躍進は衝撃です。今シーズンのロッキーズは、トゥロウィツキーが三冠王に迫る活躍を見せていたり、昨年ゴールドグラブ賞のノーラン・アレナド三塁手が球団新記録となる28試合連続ヒットを記録するなど、驚くことばかり。次はどんなニューカマーが生まれてくるのか、とても楽しみです。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る