今季メジャーをかき回す「サプライズチーム」はこの2球団!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 待ちに待ったメジャーリーグの2014年シーズンがついに幕を開けました。ファンとして期待するのは、シーズンを大いに盛り上げてくれる「台風の目」の存在でしょう。予想もしていなかったチームが優勝争いに食い込んでくるサプライズは、メジャーリーグの大きな魅力のひとつです。そこで今回は、今シーズン、リーグをかき回してくれそうな「サプライズチーム」を紹介したいと思います。

ロイヤルズで不動の3番に成長しつつあるエリック・ホズマーロイヤルズで不動の3番に成長しつつあるエリック・ホズマー まず、最初に取り上げたいチームは、ア・リーグ中地区のカンザスシティ・ロイヤルズです。1985年に初めて世界一に輝いて以来、ロイヤルズは28年間もプレイオフから遠ざかっています。これはメジャー30球団の中で最も長い年数で、ここ19年間で勝ち越したシーズンも2度だけ。ロイヤルズは長きに渡って低迷を続けていたのです。

 しかし昨シーズン、ロイヤルズは2003年以来、10年ぶりに勝ち越しました(86勝76敗)。しかも、オールスターゲーム以降のシーズン後半戦は、ア・リーグ1位の43勝27敗。見事な大躍進を遂げたのです。その最大の要因は、シーズンを通してリーグ1位のチーム防御率3.45を記録した投手陣の活躍でしょう。さらに1試合平均の奪三振数も、リーグ最多の9.57個をマーク。周囲を驚かせるピッチング内容で、昨シーズンを終えたのです。

 また、昨シーズンは野手陣も大きく飛躍しました。攻撃面では積極的なプレイを全面に押し出し、リーグ1位の153盗塁をマーク。一方、守備面でも多くの失点を防ぎ、キャッチャーのサルバドール・ペレス、ファーストのエリック・ホズマー、レフトのアレックス・ゴードンの3人がゴールドグラブ賞に選ばれました。安定した投手陣を誇り、スピードのある攻撃を展開し、守りも鉄壁――。とても長らく低迷してきたチームとは思えません。

 そして今オフには、頼もしい選手をふたりも補強しました。昨シーズンまでミルウォーキー・ブルワーズでプレイしていた青木宣親選手(打率.286・8本塁打・37打点・20盗塁)と、デトロイト・タイガースからFAとなったオマー・インファンテ(打率.318・10本塁打・51打点・5盗塁)です。彼らの加入によって、ロイヤルズの攻撃力と守備力はさらにアップすることでしょう。

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