A・ロッド出場停止で田中将大のヤンキース入りが加速!? (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 MLB機構は1月11日、通算654本塁打のアレックス・ロドリゲス(ヤンキース)に対し、今季の162試合に加え、ポストシーズンの出場停止を科した。ヤンキースはすぐさまこの決定を受け入れ、これで今季のロドリゲスの年俸2500万ドル(約26億円)のうち、2200万ドル(約23億円)以上を支払う必要がなくなった。

 12月初旬のウインターミーティングでのことだった。あるMLB関係者が「ポスティングの遅れはヤンキースにとって好都合。1月初旬にロドリゲスの裁定が下される。出場停止が確定すれば、田中を獲得するための資金に困らなくなる」と話していた。

 現在、11年連続でぜいたく税を支払っているヤンキースは、今季の総年俸を1億8900万ドル(約198億円)に抑え、ぜいたく税の支払いを避けることを最大の目標としている。こうしたチーム事情もあって、当初は厳しいのでは......と言われていたヤンキースだが、ロドリゲスの処分が決定した今、今季の総年俸がおよそ1億5100万ドル(約158億円)となり、目標とする額まで3800万ドル(約40億円)を残すなど、潤沢な資金を手にすることとなった。

 たとえ、田中に1年2000万ドル(約21億円)の6年契約、すなわち総額1億2000万ドル(約126億円)の大型契約を提示したとしても、リミットまでは1800万ドル(約19億円)を残しており、田中の他にもまだまだ選手を獲得できる計算となる。

 交渉期限は米国東部時間の1月24日午後5時(日本時間1月25日午前7時)まで。ヤンキースはロドリゲスの出場停止で浮いた資金をどれだけ田中獲得のために投入してくるのか。空前の獲得競争がこれから本格化する。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る