2014年、日本人メジャーが歴史を塗り替えそうな大記録は? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 あと、個人記録ではありませんが、ボストン・レッドソックスの上原浩治投手と田澤純一投手が、日本人初のワールドシリーズ2連覇を成し遂げるかどうかも要チェックです。過去、日本人メジャーリーガーで2度ワールドチャンピオンに輝いたのは、田口壮選手ただひとり(2006年のセントルイス・カージナルスと、2008年のフィラデルフィア・フィリーズ)。2年連続世界一は誰も経験していません。21世紀に入ってワールドシリーズを連覇したチームは誕生しておらず、1998年から2000年まで3連覇したニューヨーク・ヤンキースが最後。13年間連覇なしは、1979年から1992年までの14年間に次ぐ最長記録です。その記録を止められるかどうか、レッドソックスの両リリーバーの活躍に期待しています。

 そして最後、個人的にとても気になっているのが、トロント・ブルージェイズとマイナー契約した大家友和投手です。1999年にレッドソックスでデビューした大家投手は、その後、メジャー5球団を渡り歩き、2009年のクリーブランド・インディアンスを最後にメジャーリーグの舞台から遠ざかっていました。しかし、メキシカンリーグや日本球界へ経て、5年ぶりにカムバックを果たすのです。しかも、魔球ナックルという武器を得て、再びメジャーで勝負に挑んできました。今シーズン、もしマウンドに立つことができれば、日本人メジャーリーガー初のナックルボーラーの誕生です。

 現在のメジャーリーグでナックルボーラーと言えるのは、2011年にサイ・ヤング賞を受賞したR.A.ディッキー(トロント・ブルージェイズ)ぐらいしかいません。そんな希少なポジションに、日本人が挑戦するのです。ロースターに残る道のりは厳しいですが、成し遂げればメジャー史に残る偉業だと思います。ぜひとも大家投手には頑張ってマウンドに立ってもらいたいです。

プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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