2014年、日本人メジャーが歴史を塗り替えそうな大記録は? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 そしてもうひとつ、日米通算記録で見どころなのは、「シングルヒットの数」なんです。オリックス時代が926本で、メジャーが2225本。合計するとイチロー選手は、3151本のシングルヒットを記録しています。メジャー歴代1位はピート・ローズの3215本なので、あと64本で最多単打記録に並ぶのです。日本ではあまりシングルヒットの記録に注目していませんが、ピート・ローズがタイ・カッブのシングルヒット記録を抜いたとき、アメリカでは大きな話題となりました。この数字も今シーズン達成しそうなので、ぜひ注目してください。

 さらに、メジャー通算2742安打のイチロー選手が、今シーズン200本近く打つことができれば、現役歴代2位に躍り出る可能性も十分あります。現役1位のデレク・ジーターの3316本(歴代9位)には遠く及びませんが、現役2位のアレックス・ロドリゲスは2939本(歴代32位)。A・ロッドは薬物規定違反で今シーズンの出場停止処分が下されたので、イチロー選手が現役2位の記録に迫るのも楽しみのひとつでしょう。

 一方、日本人ピッチャーの記録で注目したいのは、ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャーズ)と黒田博樹投手(ニューヨーク・ヤンキース)の両エースです。まずダルビッシュ投手は、メジャー1年目から3年連続200奪三振の大台を突破するかどうか。デビュー1年目から3年連続で200奪三振を記録したピッチャーはメジャーでも非常に少なく、初めて達成したのはニューヨーク・メッツのドワイト・グッデン(1984年=276個、1985年=268個、1986年=200個)でした。その後、ロサンゼルス・ドジャースの野茂英雄投手も成し遂げています(1995年=236個、1996年=234個、1997年=233個)。デビュー1年目から最初の3年間で合計744奪三振を残したグッデンのメジャー記録に対し、ダルビッシュ投手は2年間で498奪三振(2012年=221個、2013年=277個)をマークしているので、今シーズン、246個の三振を奪えば並びます。昨シーズンのペースで三振を奪い続ければ、グッデンの記録を塗り替えることができるでしょう。

 そして、黒田投手は今シーズン、デトロイト・タイガース戦で勝利すれば、メジャー全30球団から勝ち星を挙げた日本人初のピッチャーとなります。メジャーではこれまで13人しか達成したことがなく、最初にマークしたのは2002年、当時ニューヨーク・メッツに所属していたアル・ライター。現役では、バリー・ジート(前サンフランシスオ・ジャイアンツ→現FA)、A.J.バーネット(前ピッツバーグ・パイレーツ→現FA)、ダン・ヘイレン(ロサンゼルス・ドジャース)の3人しかいません。今シーズン、黒田投手が日本人初の快挙を達成できるのか、ぜひタイガース戦に注目してください。

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