MLBプレイバック2013。メジャー史に残る「3つの悲劇」

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by AFLO

 2013年のメジャーリーグは、ボストン・レッドソックスの優勝で幕を降ろしました。開幕から約7ヵ月、振り返れば今シーズンもいろいろなことがあったと思います。そこで今回は、今年のメジャーリーグで印象に残った出来事を、十大ニュースとしてお送りします。

今年5月のデビュー後、いきなり頭角を現したカージナルスのマイケル・ワカ今年5月のデビュー後、いきなり頭角を現したカージナルスのマイケル・ワカ【2013年メジャーリーグ十大ニュース@前編】

第10位 メジャーリーグならではの「隠れた」新記録

 メジャーリーグは日本と比べられないほど細かなデータを取っているのですが、今シーズンも非常に興味深いメジャー新記録が誕生しました。それは、「延長戦の合計試合数」です。今シーズン、メジャー全体で延長戦になった試合は243回あったのですが、実は2011年の237試合を上回る史上最多の回数だったのです。

 その中でも注目されたのが、ナ・リーグ西地区のアリゾナ・ダイヤモンドバックスです。今シーズンのダイヤモンドバックスは、ナ・リーグ歴代2位となる25試合の延長戦を戦いました。さらに、延長戦すべてのイニング数を合計すると80イニングで、それはなんとメジャー記録にあと2イニングと迫るものだったのです。8月24日のフィラデルフィア・フィリーズとの延長18回をはじめ、延長16回を2試合、そして延長15回を1試合と、今シーズンのダイヤモンドバックスは過酷な延長戦を何度も経験しました。80イニングを1試合9イニングで換算すると、9試合ほど多く行なった計算になります。ちなみに前述した4試合は、すべてダイヤモンドバックスが勝っているので、それにも驚きました。

 ちなみに、延長戦合計イニング数のメジャー記録は、1918年にワシントン・セネタース(現ミネソタ・ツインズ)が残した82イニング。95年前の記録もしっかりと残しているところに、メジャーリーグのすごさを改めて感じます。

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