ダルビッシュ有も、上原浩治も......振り返れば「NOMO」がいる! (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by AP/AFLO

 そして野茂と言えば、奪三振だ。メジャー史上3人目となるデビューから3年連続200奪三振を記録し、奪三振王のタイトルに輝くこと2回。メジャー通算で1918個の三振を奪った。

 この野茂の代名詞でもある「三振」の記録を塗り替えていきそうなのがダルビッシュだ。すでにデビューから2年連続で200奪三振を記録しており、まずは来シーズン、タイ記録に挑む。また、ダルビッシュの1試合最多奪三振は15個が最高だが、これは8回を投げての数字。もし完投数が増えれば、記録更新の可能性は高くなる。ちなみに、野茂が500奪三振を記録したのは444回2/3(当時メジャー最速)で、現在ダルビッシュは385回で477の三振を奪っている。今の調子を維持すれば、記録更新はほぼ間違いないだろう。

 シーズン236奪三振の野茂の記録を更新したダルビッシュは、試合後にこう語った。

「(数字的には)超えましたけど、まだ(野茂と)比べられるような選手ではありません。いずれ比べられるような選手になれたらいいなと思います」

 野茂のメジャー通算奪三振記録にダルビッシュが追いつくには、あと1500近い三振が必要で、年間200個の三振を奪ったとしても、あと7年以上かかる。ただ、その記録が達成されるということは、メジャーでローテーション投手を長く守り続けた証明であり、その時に野茂と比較される投手になるということなのだろう。

 振り返れば野茂がいる――18年前に海を渡ったパイオニアは、今でも日本人メジャー最高の投手である。ダルビッシュや上原や黒田や岩隈久志という現役メジャーが今年活躍してくれたおかげで、野茂の偉大な足跡が少しだけ蘇った。将来、野茂を超える投手が現れた時、彼は自らの足跡を振り返り、何を思うのだろうか。

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