オールスター辞退も、選手間投票で選出されたダルビッシュ有の評価

  • 佐藤直子●文 text by Sato Naoko
  • photo by Getty images

選手間投票により2年連続オールスターに選出されたダルビッシュ有選手間投票により2年連続オールスターに選出されたダルビッシュ有 第84回オールスターゲームが、現地時間7月16日、ニューヨーク・メッツ本拠地のシティフィールドで開催される。ファン投票、選手間投票、そして監督推薦で選ばれたメジャーを代表するスター選手たちが一堂に会し、両リーグのドリームチームが、今季ワールドシリーズの本拠地開催権を懸けて戦う。

 昨季3冠王に輝いたミゲル・カブレラ(タイガース)、今季限りでの引退を発表しているマリアーノ・リベラ(ヤンキース)、次世代を担うスター候補のブライス・パーパー(ナショナルズ)らに加え、日本人選手が2人選出された。レンジャーズのダルビッシュ有投手と、マリナーズの岩隈久志投手だ。7月13日現在、奪三振数157でメジャートップのダルビッシュと、WHIP(1イニングあたりの与四球数と被安打数の合計)でア・リーグ1位の岩隈だけに、順当な選出と言えるだろう。

 2年連続2度目のオールスターメンバーに選ばれたダルビッシュ。昨季は最終投票での最後のひと枠に滑り込んだ形だったが、今季は選手間投票ア・リーグ4位での選出。もちろん、ファンに後押しされての出場も立派だが、今回の"仲間のメジャーリーガーから認められての選出"は、また違った意味を持つ。

 出場選手の発表があった6日、今季18度目の先発登板を終えたダルビッシュは、この日4敗目を喫したものの、「ファンに投票されるのもうれしいですけど、選手が見て、対戦して、感じて、投票してくれているってことなので、すごくうれしいです」と、笑顔を浮かべながら素直に喜んだ。

 鳴り物入りでメジャー移籍を果たした昨季は、実力よりも話題先行の投手というイメージが強かった。もちろん、日米のメディアが騒ぎ立てたこともあるが、対戦打者も含め、メジャー全体が「どれほどの選手か見てみようじゃないか」と、多少斜に構えていた部分がある。評価の目は厳しかった。だからこそ、6月中に10勝を挙げる勢いを見せながらも、選手間投票で漏れた。

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