ア・リーグ東地区が今、「スゴいこと」になっている! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 その強さの秘密は、オリオールズが誇る強力打線に他なりません。1番ネイト・マクラウス(打率.280・6本塁打・15打点)、2番マニー・マチャド(打率.312・6本塁打・42打点)、3番ニック・マーケイキス(打率.293・8本塁打・43打点)、4番アダム・ジョーンズ(打率.289・16本塁打・61打点)、5番クリス・デイビス(打率.320・33本塁打・85打点)、6番マット・ウィータース(打率.232・11本塁打・42打点)、7番J.J.ハーディ(打率.251・15本塁打・46打点)と、スタメンが軒並み絶好調。その活躍が認められ、7月16日に行なわれるオールスターゲームの先発メンバーには、一塁にデイビス、ショートにハーディ、そして外野にジョーンズと、オリオールズの選手が3人も選ばれました。まさにオリオールズは、ア・リーグのシーズン前半戦を大いに盛り上げた主役のひとりと言えるでしょう。

 ただ、東地区の大混戦を演出したのは、オリオールズだけではありません。現在5位のブルージェイズの存在も欠かせないと思います。開幕前、ブルージェイズは大型補強を行ないました。2012年サイ・ヤング賞投手のR.A.ディッキー、12年連続ふたケタ勝利のマーク・バーリー、2010年最優秀防御率ホルダーのジョシュ・ジョンソンと、大金を投入して投手力の大幅アップを図ったのです。しかしフタを開けてみれば、軒並み不調で連敗続き。6月10日時点で27勝36敗、首位から12ゲーム差となり、現地では「今シーズン、最大の期待外れ」と言われました。ところがその後、球団記録となる11連勝をマーク。一気に首位から5ゲーム差まで縮め、優勝争いに加わりました。ブルージェイズは後半戦も大いに東地区をかき回してくれることでしょう。

 また、現在4位につけているヤンキースの貧打も、シーズン前半戦で目に止まったポイントでした。デレク・ジーターをはじめ、アレックス・ロドリゲス、マーク・テシェイラ、そしてカーティス・グランダーソンと、主力が相次ぐ故障でチームを離脱。現在は控え選手やマイナー選手を加えて、戦力をぎりぎり維持している状況です。6月のヤンキースの打撃成績は、打率と得点がメジャー29位。長打率はなんと、メジャー最下位という有り様でした。ベーブ・ルースの時代から強力打線をウリにしてきたヤンキースにとって、この成績は信じられません。シーズン後半戦、どのように巻き返しを図るのか注目です。

 一方、東地区以外で注目すべきは、オークランド・アスレチックス(52勝37敗/西地区1位)の快進撃でしょう。昨シーズン後半、アスレチックスは怒濤の追い上げを見せ、レギュラーシーズン最終日にテキサス・レンジャーズから首位の座を奪って逆転優勝を果たしました。しかし今年、この勢いは続かないだろうと思っていたのです。事実、今年5月15日時点で、首位と7ゲーム差。昨年のような強さは感じられませんでした。

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