今年のオールスターゲームは新参者が主役となる!?

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

オールスターのファン投票で上位に食い込んできたフィリーズのドモニク・ブラウンオールスターのファン投票で上位に食い込んできたフィリーズのドモニク・ブラウン 先日、ファン投票によるオールスターゲームの第2回中間発表が行なわれました。近年のオールスターはデビュー間もないルーキーが選ばれる傾向で、ベテランから若手の時代へと移行しつつあります。特に昨年は、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)やブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)など若手のホープが初選出となり、大きな話題となりました。そして今年も、今後メジャーを代表しそうな若手プレイヤーの名前がファン投票ランキングで浮上しています。そこで今回は、オールスターに初選出されそうな4人の新参者にスポットを当てたいと思います。

 まず初めに紹介したいのは、ボルチモア・オリオールズのマニー・マチャド(20歳・右投右打)と、ミルウォーキー・ブルワーズのジーン・セグラ(23歳・右投右打)です。彼らふたりは1ヵ月ほど前に一度、コラムで取り上げたのですが(「ニューカマー2013・打者編」参照)、その後もさらに活躍し続け、メジャーを大いに盛り上げています。まずマチャドは、5月10日から12日に20歳以下の選手としてはメジャー史上42年ぶりとなる3試合連続3安打をマーク。メジャー全体で、昨年三冠王のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)に次ぐ90本ものヒットを打っています(現在、打率.316・5本塁打・35打点)。さらに注目すべきは、二塁打の数です。現在、メジャートップの28本の二塁打を記録中。6月中旬の段階で、この本数は驚異的です。第2回中間発表でマチャドは、ア・リーグ三塁手部門でミゲル・カブレラに次ぐ2位。ファン投票で1位になるのは厳しいかもしれませんが、監督推薦で今年のオールスターに選ばれるのは間違いないでしょう。

 一方、セグラもヒットを量産しています。5月28日には、球団史上3人目となる1試合6安打を樹立。ナ・リーグ1位の87安打をマークし、2ヵ月連続でチームの月間MVPに選ばれました。現在、打率.339・10本塁打・30打点・19盗塁を記録していますが、驚くべき数字はメジャートップタイとなる8本の三塁打を打っている点でしょう。俊足を生かしたバッティングで暴れまわり、セグラの評価はうなぎ上りです。現在、ファン投票の順位はナ・リーグ遊撃手部門で、1位のトロイ・トゥロウィツキー(コロラド・ロッキーズ)、2位のブランドン・クロフォード(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に次ぐ3位に食い込んでいます。地元ミルウォーキーが地方都市だけに、ファンの票が伸びにくい傾向はありますが、おそらくセグラも監督推薦で選ばれるでしょう。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る